Рецепт お客様絶賛シチュー

お客様の絶賛シチュー
ズバリそれは牛タンシチューです。

私は未だ作ったことがありませんが、母の１８番の一つです。

子供の頃は、どうも得意になれなくて、母が牛タンを買い付けてくると、どちらかというと、気が重くなったものです。皮をむく前のあのボツボツ・・・いわゆる味覚器官のあれ、味蕾（みらい）、あれがどうも駄目だったんです。

母は水を使わず、赤ワインだけで煮ていました。ジャガイモやニンジンも牛タンに負けずに大きくごろごろ入って、一見、ビーフシチューの様なんです。でも、何が違うって、あの牛タンっていうのは、牛肉の他の部位のように、煮崩れないんですよねえ。きっと、何日も煮込めば煮崩れるんでしょうけど、母のはきちんと形が残っている、それでいて、箸でほろっと崩して食べれる、それはそれは柔らかく、味がしみて、正しく高級レストランで出てくるようなシチューに仕上がるんです。

それを一度食べたお客様からは、必ずと言っていいほど、冬になるとリクエストがきます。「あ～タンシチューが食べたいなあ～」「あの味が忘れられないなあ～」とかなんとか言って、訪問の一週間くらい前から歌いだします。それを聞くと母は、やれやれ、と言いながらお肉屋さんに注文をし、何時いつ作るからお願いね、と、１、２本を取り置きをしてもらうんです。今でこそ珍しいものではないと思いますが、当時は、スーパーマーケットで容易に手に入る代物ではなかったものです。今考えると、きっと高かったんだろうなあ～と、とか、おしゃれなメニューだったんだろうなあ～とか、想像できますが、子供だった私には、あのボツボツが、どうしても・・・ね。

一体何人のお客様が母のタンシチューに舌鼓をしたことでしょう。




 
 
 

 

お陰様で、大人になった今では、牛タンの有難味がわかるようになりました。感謝感謝。